悪役令嬢に転生した干物女は酒の肴を食べたい。

 朝晩寒い日が増えてきた今日この頃。皆さんいかがお過ごしだろうか。

 私は恐ろしいものを異世界に持ち込んでしまった。

 コタツである。
 フローレンス領お得意の木工技術を駆使して、ちゃぶ台とコタツ、季節によって変えられるように魔改造した。
 コタツ布団も、領地で育てている綿花をふんだんに使っている。

 魔法の湯たんぽ的なものをテーブル板の裏に仕込むと、火傷しないけど温かい、程よいぬくもりが維持される。オンオフ切替可能。

 試作品第一号が、私の調理場横の小上がりに設置された。
 ちょうど遊びに来たミラとミゲルが、入って数分でコタツムリ化している。
 ミゲルなんて座布団を枕にして、ミカーン(みかんに似た甘酸っぱい果物)をほおばる。貴族の子とは思えないくつろぎっぷりである。
 ミカーンの食べ過ぎで両手の指が真っ黄色になっている。

 ジャージ、はんてん、そしてコタツ。
 もはやここは異世界の日本だ。
 湯呑みで緑茶をすすり、ミカーンをむくミラ。