きみの物語が、誰かを変える。小説大賞 by スターツ出版文庫

この度は「きみの物語が、誰かを変える。小説大賞」へ多数のご応募、誠にありがとうございました。

この賞は、今を生きる新しい世代の作家を生み出すべく、特別審査員にTikTokerのけんご小説紹介さん、十代から絶大な支持を得る作家・汐見夏衛さん、冬野夜空さんを迎え、今回も沢山の新しい物語が集まりました。


新たな試みとして、小説を動画投稿できるTikTok賞を設定、短い動画の中に想いが詰め込まれた作品は、心に刺さるものがありました。長編・短編賞では、特別審査員を支持する若い世代の作家が多くみられ、実感のこもった作品が顕著でした。


審査においては、若い世代の読者が共感できる葛藤が描かれているか、読者の心に変化を与えるような主人公の成長とメッセージ性があるかに重点を置き、厳正なる審査をいたしました。最終選考では、特別審査員の方々の作家視点の評価や、多くの読書量から発する作品のオリジナリティへの言及など、編集部の意見と分かれる場面もあり、大変盛り上がりを見せました。


その結果、長編賞1作、長編特別賞2作、そして短編賞2作、短編特別賞2作の選出となりました。

受賞作品への講評は以下の通りとなります。

長編賞 受賞作発表

◎長編賞

『余映はあえか』雨 / 著 

【講評】

<けんご小説紹介>

思春期の複雑な心情を丁寧に描写した、悲しくて切なくて…どこか温かい作品でした。まさに「誰かを救う」物語だと思います。学生さんを中心に、より多くの方に届きますように

<編集部>

人間関係が上手くいかず不登校になった高校生・蘭の唯一の居場所は、夜の公園だった。蘭は、そこで自分と同じような悩みや苦しみを抱える人々と出会います。彼らが互いに影響しあい、変わっていく姿には勇気を貰えました。何より、彼らの葛藤を表現する言葉には、著者独自の感性と文体があり、共感を呼ぶパワーが感じられました。登場人物たちが、過去から地繋ぎである“今”を、どう感じながら生きているか(例えば、不登校の蘭が昼に出歩いたときは、どんな気持ちになるのかなど)まで人物造形を深め、執筆いただければ、さらに共感度が高くなったかもしれません。素敵な作品をありがとうございました。

◎長編特別賞

『だから私は、今日も猫を被る。』水月つゆ(水沢ゆな) / 著

【講評】

<けんご小説紹介>

全員に認められることは難しくても、一生懸命に生きていればきっと自分は誰かの力になれる。そんなことを考えさせてくれた作品でした。自分を見失いそうになったときに読んでほしいです。

<編集部>

”いい子”を演じようと必死なヒロイン。彼女の唯一の居場所はSNSでフォロワーのいないアカウントでつぶやくことだった。そんなある日、自分のつぶやきに返信してくれる存在が現れて――。この作品は10代のリアルな葛藤が細やかに描写されていて、とても共感性の高い作品でした。”いい子”を演じなければいけないと思うまでのエピソードをもう少し描写すると、より多くの読者が共感できる作品となるのではと思います。

◎長編特別賞

『リリィ・ローズの花言葉』ななせあきら / 著

【講評】

<けんご小説紹介>

先の読めない展開にハラハラしながら楽しめました。ボリュームがある作品なのに、最後まで読ませる筆力が素晴らしいです。これからの作品がより楽しみになりました。

<編集部>

自分のことを「ぼく」と呼ぶヒロインは、中学校の卒業式、大切な人と再会するため約束の地へ旅立つが――。この作品は、大人になることを恐れるヒロインがある男と逃避行する十日間の物語です。海の街を舞台に描かれる物語は、まるでひとつの映画を観ているような世界観があり、読者を引き込みます。ドラマティックな大作だっただけに、ラストもう少し意外性や、ヒロインの未来を照らすような彼の想いなどが明かされると、この作品で伝えたかったメッセージがさらに心に残る作品になったのではと思います。ですが、オリジナリティを感じる新しい作品でした。

短編賞 受賞作発表

◎短編賞

『まるごと抱きしめて』夏目はるの / 著

【講評】

<汐見夏衛>

「自分が嫌いで、他の誰かになりたい」という誰しも抱いたことのあるであろう願望。でも実際には「人それぞれの地獄」があり、みんなその地獄を抱えて生きているというメッセージが、非常にスターツ出版文庫らしい作品だと思いました。

<けんご小説紹介>

少ない文字数でこの物語をまとめ上げることは、非常に難しいことだと思います。短編小説の良さが凝縮された不思議な作品です。最初の一文からグッと心を掴まれました。

◎短編賞

『世界を壊す爆薬』天野つばめ / 著

【講評】

<汐見夏衛>

シンプルながら目を引くタイトル、安定感ある文章、魅力あるキャラクター、軽妙で心地いいかけあい、プロローグとエピローグの仕掛け、爽快な感動のある読後感、どれもすばらしかったです。まるで長編作品を読んだような満足感がありました。

<けんご小説紹介>

謎の作り方や物語の構成はもちろんですが、心情の描き方が心に残るような作品だと思いました。青春の甘酸っぱさや苦しさを肌で感じられるこの物語を、多くの人に読んでもらいたいです。

◎短編特別賞

『私たちは素顔で恋ができない』春登あき / 著

【講評】

<汐見夏衛>

コロナ禍中で出会ったふたりの恋。マスク詐欺という恐ろしい言葉、素顔を見せるのが怖いという思い、どれも今の時代ならではで、今まさに取り上げるべきテーマで、多くの読者が共感し勇気をもらえる作品だと思います。

<けんご小説紹介>

この不安定なご時世だから…ではなく、コロナウイルスが終息していくこれからに、マスクが当たり前となってしまった世の中にぴったりな作品だと思いました。同じ悩みを持つ誰かに届いてほしいです。

◎短編特別賞

『声を描く君へ』春田陽菜 / 著

【講評】

<汐見夏衛>

病気や障害によって周囲とのコミュニケーションに難を抱えて苦悩しているふたりが、お互いのために変化し成長していく姿。健気な主人公たちの頑張りを素直に応援したくなる、スターツ出版文庫らしい作品でした。

<けんご小説紹介>

ハンデがあるから苦しいのではなく、この物語の苦しみに共感できる人は多いのではないかと思いました。学校生活がどこか窮屈で不安がある学生さんに届いてほしいです。

【長編賞・短編賞 講評】


<汐見夏衛>

誰にでも『自分にしか書けない物語』があります。誰もが他の誰とも違う人生を歩み、他の誰とも違う思考を持っているからです。

小説はもちろん自分のためだけにも書けるものですし、そういう作品も素晴らしいのですが、『誰かに読んでほしい、誰かの心に届けたい』という思いで書くのならば、『この物語で、どんな人に、どんなことを伝えたいか、どうすれば伝わるか』を常に意識して書くことが大切だと思います。今回の審査では、伝えたいメッセージがはっきりしていること、そして伝わるように書けていることを重視させていただきました。

コンテストなのでどうしても結果的には選ばれた作品と選ばれなかった作品がでてしまいますが、どの作品にもそれぞれ他とは違う個性があり、他とは違う魅力がありました。たくさんの熱意あふれる作品を読ませていただき、私自身も大きな刺激をいただけました。

忙しい日々の中で作品を仕上げるのは大変だったと思います。お疲れ様でした。応募してくださった皆様、ありがとうございました。


<けんご小説紹介>

今回のコンテストを通して思ったことが一つあります。それは、「小説には未来」があるということです。よく「読書離れ」と言われるようになりましたが、受賞作の他にも素晴らしい作品がたくさんあり、小説を愛する人がこんなにもいるのかと感銘を受けました。もっと多くの作品を読んでみたいです。そして、小説の魅力にまだ気づいていない人にも届けたいと強く思います。ありがとうございました。

▼ けんご小説紹介さんによる「長編賞・短編賞」発表LIVEの映像はこちら

今年も開催!「第7回 スターツ出版文庫大賞」

「スターツ出版文庫大賞」では、8万字以上13万字以下の長編作品を募集します。大賞・優秀賞受賞作は、スターツ出版から書籍化!


応募要項詳細は、6月17日(金)オープン(予定)の特設ページにてご確認ください。皆さんのご応募をお待ちしております!

TikTok賞 受賞作発表

◎TikTok賞

@gado_kanowa 賀遠花乃羽

【講評】

<冬野 夜空>

学生の方が作られた動画だと思いますが、だからこそ等身大のメッセージ性だったり、言われてみれば確かにそうだなというような納得できる部分があったり、そういう誰しもが感じたことのある部分というのをちゃんと言葉として表現できているのが素晴らしいなと思いました。そこをさらに、小説として形にできたらもっと面白いんじゃないかなと思い、大賞に選ばせていただきました。

<けんご小説紹介>

SNS社会だったり、この現代を生きる方の思いが短い動画に凝縮されていると思います。冬野さんも「この作品で書いてみたい!」という強い思いを寄せられていたので、(小説化されることが)楽しみです。

▼ 冬野 夜空さん、けんご小説紹介さんによる「TikTok賞」発表LIVEの映像はこちら

特別審査員

応募要項

  • 長編賞(1作品) 書籍化+賞金30万円
  • 短編賞(作品数未定) 汐見 夏衛作品とアンソロジーとして書籍化+賞金10万円
  • TikTok賞(作品数未定) 冬野 夜空によりノベライズし書籍化+商品券10万円分
応募資格

不問(プロ、アマ、年齢等一切問いません)

※新人作家歓迎

受賞作品発表
  • ノベマ!
  • スターツ出版文庫TikTokアカウント(@stabunko)TikTok LIVEにて

【 長編賞・短編賞 】応募要項

テーマ(長編賞・短編賞)

切ない体験、恋、青春


どんな人にも切ない体験のひとつやふたつ、あるかと思います。

切ない体験は苦しく辛いことでもあるけど、

愛しくて、美しく、生きる過程でとても大切なことと考えています。

あなたの切ない体験から感じたこと、得られたことなど

物語・小説に載せて伝えてほしい。

フィクションでもノンフィクションでも構いません。

応募方法

ノベマ!に作品を投稿、公開してください。


STEP1

エントリーしたい作品の【作品編集】から、【設定】画面のコンテスト応募きみの物語が、誰かを変える。大賞を選択します。

STEP2

エントリーする部門を選択し、あらすじを入力してください。

※以下は参考イメージです。

STEP3

ページ最下部の【設定を保存する】ボタンを押すとエントリー完了です。

  • 事前にノベマに会員登録の上、作品投稿をお願いいたします。
  • あらすじとは、ストーリーの全容、登場人物の設定や大きな流れを簡潔に明記したもので、あらすじの内容を元に審査を進めさせていただきます。
  • コンテスト応募のあらすじは、他のユーザーには公開されません。(エントリー締め切り日まで編集できます。)

原稿文字数

「ノベマ!」上で、作品本文を以下の文字数におさめてください。

  • 長編賞 80,000字以上
  • 短編賞 10,000~30,000字

 (1ページの最大入力可能文字数は1万5千字です。)

 ※あらすじの文字数(400字程度)分については、審査時はカウントいたしません。

対象

応募サイト「ノベマ!」で読むことができる作品。

テーマに沿った作品であれば、複数エントリーしていただけます。


※以下に該当する作品のエントリーは不可となります。

  • 「ノベマ!」の規約に反するもの
  • 過去に書籍化されたもの
  • 書籍化の予定があるもの
  • 本人以外に著作権及び著作隣接権があるもの
  • 現在開催中である他の文学賞に応募しているもの
  • そのほか当編集部が不適切と判断したもの

注意事項

  • 複数作品のエントリーを可とします。
  • 新作を推奨しますが、テーマに沿った作品であれば、既存作品の応募も可能です。
  • シリーズ作品や続編、サイドストーリーなど、その作品だけでは物語が完結していない場合、原則として審査対象外となります。ただし「第1巻」などとして、その巻だけでもストーリーが完結している場合は審査対象となります。
  • 完結締め切り後の作品内容編集は、誤字脱字の修正のみ可といたします。番外編等の追加を含む大幅な内容の編集をされた場合、失格となります。なお、完結締め切り後に作品掲載ポリシー違反が発覚した場合も同様に失格となります。
  • 文字数不足など当社出版基準に満たない場合は、出版できないことがあります。
  • 出版の際には、当社編集方針により作品を編集させていただくことがあります。

スケジュール

  • 2022年1月7日(金) エントリー開始
  • 2022年4月10日(日) エントリー及び完結締め切り
  • 2022年5月26日(木) TikTokLIVEにて結果発表

※スケジュールは変更になる可能性があります。

審査について

審査員

けんご小説紹介(全部門)、汐見 夏衛(短編賞)、スターツ出版 書籍編集部(全部門)


審査方法

すべての作品を読んだ上で、総合的観点から審査いたします。

【 TikTok賞 】応募要項

テーマ(TikTok賞)

#誰かに話したい


ずっと胸の中にしまっている切ない体験や想いなど、

誰かに話したいことを、綴ってみませんか。

顔出しなしでも大丈夫。

誰かと共有することで、救われる人がいるかもしれません。

応募方法

TikTokにて動画をご投稿、公開してください。

投稿動画には必ず、「#誰かに話したい」 とハッシュタグをつけてください。

  • 動画内に物語が入っていれば、表現方法は自由です。「ハッシュタグ欄にご記載いただく」「テロップで文字を入れていただく」「文字を書いた紙を動画で撮影いただく」…など、どういった形でも、問題ありません。文字数の制限はありません。
  • 1人何作品でもエントリー可能です。

文字数・動画の長さ

文字数、時間ともに制限なし。

対象

※以下に該当する作品のエントリーは不可となります。

  • 「ノベマ!」の規約に反するもの
  • 「TikTok」の規約に反するもの
  • 過去に書籍化されたもの
  • 書籍化の予定があるもの
  • 本人以外に著作権及び著作隣接権があるもの
  • 現在開催中である他の文学賞に応募しているもの
  • 当編集部が不適切と判断したもの
  • 個人・団体を誹謗中傷する内容、経済的/精神的損害を与える内容、名誉毀損および侮辱にあたる内容等、第三者の迷惑になりうる可能性のあるもの

注意事項

  • 1人何作品でもエントリー可能です。
  • ご投稿後、投稿動画を削除された場合は失格となります。
  • 受賞者様には詳細を取材させていただく可能性がございます。
  • 書籍化の際は、フィクションを混ぜて編集させていただきますので予めご了承ください。
  • 書籍の奥付に原案者としてお名前(ニックネーム)を掲載させていただきます。

スケジュール

  • 2022年1月7日(金) エントリー開始
  • 2022年2月11日(金) エントリー締め切り
  • 2022年2月末頃 結果発表 ⇒ 3月11日(金)TikTok LIVEにて

※スケジュールは変更になる可能性がございます。

審査について

審査員

けんご小説紹介、冬野 夜空、スターツ出版 書籍編集部


審査方法

エントリーいただいた作品は、スターツ出版 書籍編集部がすべて確認した上で、文章のみでなく、1つの動画コンテンツとして、総合的観点から審査します。

共通注意事項

個人情報について

応募および受賞に際し提供いただいた個人情報は、スターツ出版株式会社のプライバシーポリシーの定めるところにより取り扱わせていただきます。

諸権利

受賞作品の出版権、雑誌掲載権、インターネット上への掲載権、コミカライズ権、映像化権等はスターツ出版株式会社に帰属します。受賞作品の全部または一部を、スターツ出版が発行・運営する紙面、インターネット、スマートフォン向けサイトに掲載することがあります。

お問い合わせ

投稿やエントリー方法など、本コンテスト関するお問い合わせはtoi@novema.jpまでお願いします。

※選考に関するお問い合わせ・ご質問には応じかねます。

※携帯メールからの問い合わせの際、迷惑メール対策をされている方は受信対象ドメインに@novema.jpを指定してください。

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