今すぐにでも引き返したい気持ちだけれど、そんなことできるはずもなく、みんなで不駅前のファミレスに入ってジュースを頼む。
誰が来るのとか、どこにいくのとか、そんな話で盛り上がってるみんなの中でろくに話すこともできなかった。それどころじゃない。
瀬戸山が来ないとしても、瀬戸山の知り合いが来るかもしれない。
なにがどうなるかわからないから、気が気じゃない。
今から腹痛おこしたってことで帰ろうか……。
でもそんなことしたらみんなのテンション下げちゃうよね。
でも、でも!
「あ、来た来たー」
優子の声に、みんなが一斉に顔を上げる。
ファミレスの入り口には、同じ学校の制服に身を包んだ男の子が4人。
……つくづく、ついてない。
その中のひとりは、紛れもなく、瀬戸山。
めんどくさそうにしているけれど、それでも合コンに来た瀬戸山。江里乃のことが好きなんじゃないの? なんで合コンなんかに来るのよー。
「瀬戸山じゃん、珍しい」
「友達くらいにはなれるかも?」
ふたりは彼の姿に興味がより一層高まったようで、こそこそとそんな話をしていた。
確かに普通科の私達と瀬戸山に接点はない。理系コースの友達ができるのも難しいと思う。
なのにどうして、手紙をもらってから瀬戸山と顔を合わすことが増えるんだろう……!