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お昼ごはんを食べ終わったら、ちょっと放送室の相談ボックスをのぞきに行こうかな。
今日の朝に返事をしたから、もしかしたらもう入っているかも。
みんなで机を合わせて食べている間、ぼんやりと考える。
瀬戸山に見られたとしても、江里乃の友達ということで言い訳はできるし。
返事を書くと、どうもそわそわしちゃうなあ。
「希美聞いてるー?」
「え? あ、ごめん」
優子が口を尖らせて、「もー」と言う。
可愛らしいなあっとぼんやり思いながら「ごめんごめん」ともう一度言ってもらった。
「合コンの話。明日になったから、いけるよね?」
「ああ、うん、わかった。みんな行くの?」
私と優子だけだったら、緊張するからやだなあ。
だけど江里乃以外は行くらしい。みんな楽しみにしていた。やっぱり彼氏って欲しいもんなんだろうなあ。
私は……とりあえず笑って過ごせればいいかな。今は。
「江里乃はなんで行かないの?」
「知らない男の子と遊びに行くの面倒だから好きじゃないんだよねー」
今からウキウキしているみんなの前ではっきりとそういう江里乃は、やっぱりすごいと思う。
みんなは気にしてない様子だったけれど……。
私が気にし過ぎなのかな。
江里乃と似た気持ちはあるから、余計そう思っちゃうのかも。
「あ、今日荷物運ぶの頼まれてたんだっけ」
はっとして顔を上げた江里乃が時計を確認して慌てて席を立った。
「なに? 生徒会の?」
「そうそう。先生がコピーしてくれたらしいから生徒会室に運ばなくちゃ。誰か一緒に行かない?」
「えー……生徒会室遠いし、休み時間終わっちゃうしー」
優子たちが顔を見合わせて、もごもごと断る。
生徒会室って……どこにあるんだっけ。でも今から職員室に行って、生徒会室、だったら、確かに昼休みは終わりそう。
「手伝おうか?」
この状態で江里乃ひとり送り出すことができなくて声をかけると「助かる!」とほっとしたように笑った。