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何事もなく1週間を過ごしたから油断した……。
机の中に入っていた1枚のルーズリーフ。
そこに書かれた一言。
差出人は書かれていなかったけれど、相手はひとりしかいない。この机の持ち主、瀬戸山だ。
頭を抱えて「なんで……」と小さくつぶやく。
私が瀬戸山の靴箱に手紙を入れて1週間。
その日と次の日くらいまでは顔を合わせたらなにか言われるんじゃないか、なにか起こるんじゃないかと落ち着かなかった。
けれど幸いにもそんな気配もなく、3日も経てばいつも通り。
あの返事でよかったんだ、とほっとしていたっていうのに……。
がっくりと肩を落としてから、改めて瀬戸山からの返事を読み直した。読み直すほどの文章でもないけど。
……どういう意味かと言われても……。
私がこの返事に対して同じ言葉を返したい気分だ。
頭を抱えつつ、ペンを右手に持つ。疑問系で書かれているなら返事をしなくちゃいけないだろう。
……返事、と言われても……。
ペンは一向に動かない。
こうしてまた手紙を受け取って思うのは、やっぱり、なんというか、瀬戸山とは合わないだろうということ。
先週の手紙で、思ったよりも、素直というか、まっすぐな人って言うだけだったのかな、なんて思ったけど。
“好きだ”と言われて“ありがとう”と返した。
正直なところ、そこにはそれ以上の気持ちはない。私が瀬戸山のことを好きだったら“私も好きでした”と返すだろう。
そうしなかった。
つまりそういうこと、なんだけどなあ。