つかつかと教室に中に入ってきて、私の目の前で足を止める。
……逃げ出したいほど怖かったけれど、ぎゅっと拳を作って、瀬戸山を見つめた。
怒られても仕方ない。
怒られて当然のことを、私はしたんだから。
泣いちゃだめだ。
「お前、これどういうこと?」
私の書いた手紙を目の前でひらひらと見せてきた。
「……それが、あの、本当の、こと、です」
「これが? お前さー、ほんっといい加減にしろよ?」
低い声と冷たい視線が頭上から突き刺さる。
「ごめんなさい」と口に出して頭を下げようと思ったとき、ビリ、と破る音が聞こえた。
見上げると、私の手紙をビリビリに破っている。
——……言葉が、でない。
小さくなったそれが、ひらひらと私の目の前に落ちていく。
「ご、め……」
泣くな。
泣いちゃダメだ。
そう思っているのに涙がじわじわと溢れてきて、声が震える。
クラスの中にいる誰も、言葉を発しようとはせずに、私と瀬戸山を見つめていた。
「もー無理。お前に合わせてらんねえ。付き合いきれねえ。なに勝手に終わらせてんだよ。なんのためにお前に言わすようにしたと思ってんだ」
「……へ?」
意味がわからなくて、目に涙をためながら瀬戸山を見上げた。