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付き合って一週間、クラスメイトのせいでぼくと仲井さんは散々な時間を過ごしている。
しかも主な原因がぼくの友達によるものだから、仲井さんの機嫌が悪いことわるいこと。
おとなしい子ほど目立ったり、からかわれたり、注目の的になることを嫌うみたいだ。
七日目にして別れるべきかもしれない、とぼくを一瞥しては考える素振りを見せ始めた。
ぼくとしても別れてあげたいのは山々だけど気持ちが入れ替わっている以上、それはできない話だ。
現にぼく達が付き合ったことによって、お互いに変な態度を取った際、さり気なくサポートできるようになった。
それは直接的なことだったり、間接的なことだったり。
例えば、ぼくがデザイン関連の雑誌を読んでいると、友達が我が目を疑う顔でこっちを凝視してくる。
ぼくを知る人間ほど、それは滑稽な風景だろう。
だけど、ぼくが彼女の名前を口に出せば、まったく違和感がない。
彼氏がもっと彼女に好かれようと、話題作りに勤しんでいる姿だと捉えられる。
仮にイラストの話が耳に飛び込んで、ついその話題に入ろうとしても、仲井さんが機転を利かせてぼくに話し掛ける。
反対に仲井さんがぼく達の話題を聞きつけて、思わず声を掛けてきたとしても、彼氏のぼくが反応してやればいい。
我に返った仲井さんが、そこであたふたと戸惑ってしまうことも多いけど、その時は「今度一緒に観る?」と、映画の話題に触れて笑顔を向けてやればいい。
周りはきっと彼氏と彼女のウブな会話だと認識するだろうから。
カレカノだからこそ、上手く誤魔化せることがある。
一週間でそれを嫌ってほど学んだ。
できることなら、元通りになるまでこの関係を貫き通したい。
そのためにはもう少し、仲良くなりたい。それが本音なんだけど。