休み時間中、ぼくは友達のからかいを右から左に聞き流してスマホを弄る。
暇つぶし程度にネットを検索するも、その内容はイラストばかり。
人物、背景、色の塗り方。
ぼくには無縁な内容ばかり検索してしまうのは、仲井さんの気持ちが自分の中にあるからだろう。
本当に元に戻るのかな。
不安を抱えながら、ぼくは席を立って友達の下を離れる。
後ろからはやし立てる声が聞こえてくるけど、それには一切聞こえない振りをして、友達としゃべっている仲井さんに声を掛けた。
とりあえず、建前でも彼氏なんだから、これくらいの頼み事は許されるだろう。これも今後のためだ。
「ごめんけど、連絡先を教えてくれる? 仲井さん」
⇒【2】