「澪?具合悪いのか?」
陽人の声を聞くのは何か月ぶりだろう・・・。
その声は付き合ってた頃と全く変わってない。
「いや・・・具合悪そうになる前に飲む薬・・・一応飲んだだけ・・・」
陽人の澄んだ声とは違って、ギクシャクした喋り方になる。
「具合どうなんだ?」
「うーん・・・あんまりよくな・・・」
ダメだ!陽人に余計なことは言わないって決めてる。
「それってさ、オレのせい?」
「ち、違うよ!!環境が変わったからであって、全然陽人のせいじゃない!」
慌てて答えたけど、陽人は眉間に皺を寄せてなにか考えてる様子だ。
あぁ、なんてあたしはバカなんだ・・・。
せっか話かけてくれたのに心配させてしまってる。
どうせ久々に話をするんだったら、もっと明るい話題がよかった・・・。
「そっか」
あたしの肩に触れていた手がそっと離れた。
陽人と普通に話がしたい。
でも、出来ない。
出来ない原因を作ったのはあたしだ。
気まずい空気が流れた気がした。
1学期中ずっとこんな感じなんだろうか・・・。
やっぱり神様はいじわるだ。
これなら席が遠くて話もできない方がまだましだよ・・・。