真由の成績の酷さに秋くんが塾まで個人的に勉強を教えることになった。
塾に通えないあたしもついでに教えてもらうことにした。
そう言ったら、陽人が「オレが教える」と言い出した。
放課後は教室に残って4人で勉強会をすることになった。
「だからぁ!なんでこんな簡単な問題もわかんねーんだよ!」
秋くんが問題集で真由の頭をペシっと叩いた。
「秋の教え方が悪いんだよ!もっとわかりやすく説明できないの!?」
真由も負けじと応戦する。
そんな2人をあたしと陽人は呆れて眺めているだけだ。
「澪を見ろよ!ちゃんと理解してるじゃねーか!!」
「澪は私より頭いいもん!ちゃんと教えてよ!バカ!!」
「真由?秋くんの教え方かなりわかりやすいよ?」
あたしが恐る恐る言うと、真由はキっとあたしを睨んだ。
「だったら、澪が私に説明してよ!秋の説明全然わかんない!」
やれやれ・・・。
「真由。うるせーよ。静かに勉強しろ。澪、次はこの問題」
陽人が淡々とあたしに言う。
「もう1回説明するからちゃんと聞いてろよ!」
秋くんが真由の頭をクルっと自分の方に向かせた。
真由、頑張れ・・・。
あたしは心の中で祈ることしかできない。