「塾に行きたい?」
いつもの帰り道。
陽人の塾が始まるまで公園で2人で喋るのが日課。
中3になって話題はやっぱり受験の話が多くなった。
「うん。そろそろ1人で勉強するのに限界を感じてきてさ」
並んでベンチに座りながら、あたしはため息をついた。
「澪の成績だったら合格ラインだよな?無理して塾に通わなくてもいいんじゃない?」
「うーん、今はギリギリなんとかなってるけど、やっぱりね・・・」
そっと陽人の顔を見ると眉間に皺。
「・・・塾ってやっぱり人がいっぱいいるの?」
きっとあたしの病気を心配してる。
「うん・・・澪にはちょっとキツイかもしれない」
「そっかぁ・・・」
やっぱり自分で勉強するしかないのかなぁ・・・。
上を見上げるとキレイな夕焼け。
去年の今頃はなーんにも考えないで遊んでたのになぁ。
高校生になったら、またみんなで遊べるのかなぁ・・・。
早く受験終わればいいのに・・・。
塾にも通えないってあたしの病気は本当にやっかいだ。