お茶を持って部屋に入ると、陽人は座ってなくて、あたしの机のノートPCを見ている。
あたしバカだな・・・。
『パニック障害』のページ開いたままじゃん・・・。
なんであたしってこんなにドジなんだろう・・・。
「陽人?」
なるべく普通に声を掛けた。
「澪、病気なの?」
あたしの顔を見ないでPC画面を見たまま陽人が言う。
「・・・うん。パニック障害って病気なんだって」
「パニック障害って電車に乗れないとか・・・そういう病気でしょ?」
「よくわかんないけど、頑張りすぎって言われて・・・、あたし全然頑張ってないのにね。むしろドジだし人に迷惑ばっかりかけてるのにさ。ビックリだよね」
あたしが早口で言っても陽人は黙ってPCを見ている。
「精神的な病気だよね?」
陽人がようやくあたしを見た。
その表情は無表情で一気に不安になる。
イヤだよね・・・。
彼女が精神的な病気だなんて・・・。
だってあたしまだ14歳だよ?
困るよね・・・。
「陽人、引いた?そうだよね、精神的な病気だなんて迷惑だよね?」
言いながら泣きそうになる。
きっと陽人はこんなあたしがイヤで離れちゃうよ・・・。
イヤだよ・・・。