家に帰ると、陽人からメールがきた。


『荷物届けて大丈夫?』


『大丈夫』


返信すると、10分もしないで玄関のインターホンが鳴った。


お父さんの声が聞こえる。


「澪ー、陽人くんが荷物を持ってきてくれたぞー」


慌てて階段を駆け下りると、私服の陽人があたしのバッグを手に立っていた。


「ありがとう」


受け取ってお礼を言うと、


「大丈夫?」


心配そうな顔で聞いてきた。


「うん。もう大丈夫」


でも、陽人に言うのは躊躇われる。


さっき、ネットで『パニック障害』を調べていたら、精神的な病気だって出ていた。


陽人が引いていなくなっちゃったらどうしよう・・・。


「澪?せっかく届けてくれたんだから上がってもらいなさい」


お父さんに言われて我に返る。


「上がって?」


陽人にスリッパを出すと、「お邪魔します」と陽人が言った。



「とりあえず、あたしの部屋で待ってて?今、お茶持ってくから」



「いや、別にいいけど・・・」


「いいから!」



なるべく笑顔で陽人を部屋に連れて行った。