お昼。


お弁当を前にため息が出る。


全然、食べたくない。


「どうした?」


陽人があたしの顔を覗き込む。


「え?・・・何でもないよ」


「澪、オレに隠し事してない?」


これは隠し事になるのかな?


「・・・今日のお弁当失敗しちゃった」


「そうじゃなくて」


言った方がいいの?


でも、心配かけたくない。


「澪」


いつもより強い口調で呼ばれる。


「・・・気のせいなんだけど、最近眠れないし、食欲ないんだ・・・」


今日は陽人と二人きり。


陽人が難しい顔をした。


あたしどっか悪いのかな・・・?


「病院行った方がいいと思う」


やっぱり陽人も真由と同じ事を言った。


「病院行くほどじゃないよ!多分すぐ治るよ!」


「・・・オレはそうは思えない。澪、痩せたし」


「大丈夫だって!心配ない!」


それでも陽人は眉間に皺を寄せたまま。


大丈夫。きっと気のせい。


だから心配しないで・・・。