陽人を見ると、視線は花火に向いている。
「陽人・・・?」
「・・・オレもそのままの澪が好きだから」
それ以上陽人の顔が見れなくなる。
あたしも花火に視線を向けた。
花火はクライマックスが近くなってて、連続でドンドンと音を鳴らしながら打ちあがっている。
色んな色が混ざって、歓声もずっと上がっていて・・・。
あたし達のファーストキスはお決まりっぽい感じ。
でもファーストキスはファーストキス。
少しだけ触れた唇は思ってたより冷たい感じがした。
感触なんてよくわかんないけど、恥ずかしいけど、胸にあったかいものがこみ上げてくる。
真由が言ってた「愛されてる」ってこんな感じなのかな・・・?
もっとしたいような、でも恥ずかしいからもう出来ないような・・・。
あたしの感情はグチャグチャだけど、陽人があたしを好きってことが伝わった気がした。
あたしの気持ちも伝わってるかな・・・?
今日の花火、陽人の顔は一生忘れない。
そして、いつまでも陽人と一緒にいるんだ。