花火がどんどん打ちあがる。


みんな視線は花火。


もちろんあたし達も。



「澪と付き合うってなったら、何か緊張することが多くなった」


「そう?」


「うん。しっかりしなきゃな、とか。かっこ悪いとこ見せたくないとかさ」


「そんな気にすることないのに」


「だよな。何だか最近そういうのバカらしくなってきた」


陽人が笑い声で言った。


「あたしはそのままの陽人が好きだよ」


照れないで自然と言葉が出た。


「澪」


肩をポンとされて、あたしは陽人の方を向いた。


「何?」って聞こうとした瞬間、


陽人の唇があたしの唇にそっと触れた。


当たったか当たらないかくらいの感触。



陽人とあたし、キスしたんだ・・・。