ベストポジションはやっぱり人が多くて、あたし達はちょっと離れた大きな木の下に座ることにした。


きっと真由達なら真ん中で見てるんだろうな・・・。


ここは人もまばらで、涼しい風が顔に当たる。


人がいっぱいのところはきっと暑いだろうと思う。


ドーンって大きな音がしたと同時に花火が上がる。


ワっていう歓声が色んなところから聞こえた。


どんどん打ちあがる花火を、あたしと陽人は木に寄りかかりながら見ていた。


「キレイだね」


「うん」


花火を見ながらの会話も楽しい。


「陽人ってさー、無口になったよね」


「え?オレ?」


「うん。小学校の頃なんてうるさいぐらい喋ってたのにさ」


「あんまり変わってねーよ」


「変わったよー」


「うるさいぐらいって、お前失礼なヤツだな」


「あははは」