「・・・・秋に乗っかるワケじゃないけど」


陽人がボソボソと喋り出した。


「オレと付き合ってみる?」


「は?」


思わず陽人の顔を見てしまう。


陽人は恥ずかしそうにそっぽを向いて首をポリポリかいている。


「つ、付き合う?あたしと陽人が?」


「イヤなら別にいいけど・・・」


「陽人ってあたしのこと好きなの?」


「好きじゃなきゃ言わねーよ!」


ポカンとしてしまう。


陽人があたしを好き・・・?


嘘だ、絶対嘘だ、夢だよこれ。


「あたし陽人のこと好きだよ」


どうせ夢なんだから言っちゃおう。


陽人に「冗談だよ、バーカ」って言われるんだろうし。


バカでも夢でも冗談でも、陽人が「好き」って言ってくれたから。


あたしも言うんだ。


だって陽人が大好きだから・・・。


「・・・じゃぁ、その、よろしくお願いします・・・」


陽人がペコって頭を下げた。


「よ、よろしくお願いします・・・」


あたしもつられて頭を下げる。