休み時間。


真由に引っ張られるように3組に向かう。


ドアの前まで来て真由が中を覗き込んだ。


「で、斉藤ってどれ?」


あたしも真由の後ろに隠れるようにしてそっと中を覗く。


陽人は教室の中心で他の男子生徒と楽しそうに話をしていた。


児童館以来だから約1か月ぶりだけど、若干髪が伸びている。


「いた・・・。わかったからもういいじゃん」


あたしが言うと真由はやれやれという顔した。


そして教室のドアから突然大声で


「斉藤 陽人くんいますかー?」


と言った。


あたしがギョっとしてると、真由はニヤっと笑う。


教室の中が一瞬シーンとしたけど、陽人が座っていた机からピョンと飛び降りてこっちへ向かってくる。


「オレですけど・・・?」


真由に向かって陽人が不思議そうに言った。


それから後ろにいるあたしを見て、ちょっとビックリしている。


「私、中谷 真由です!お届けものでーす」


真由があたしを前に突き出した。


「澪じゃん。どうした?」


「どうしたって・・・どうしたんだろ?あはは・・・」


もー!!恥ずかしくてどっかに消えたい!!