「私ね、澪に聞きたかったことあるんだ」


「ん?」


真由はしばらく空を見たり考えてる様子。


「・・・陽人のこと好きだよね?」


「え?あー・・・まぁ・・・うん・・・」


「想い伝えないの?」


はぐらかそうと思ったけど、真由の目があまりにも真剣だから・・・。


「伝えようとした。でも、できなかった」


「どうして?」


どうしてか・・・。


それはね、陽人にとってあたしは「過去」だから。


あたしの思い出も気持ちも全部「過去」。


今は「幼馴染」。


高1のあの時ハッキリ言われたから・・・。


「いいんだ。これで」


あたしは真由に笑ってみせた。


「好きだけど・・・今の形であたしは幸せだからいいの」


「澪・・・」


「諦めたとか諦めてないとかじゃない。この形があたし達にとって一番なんだと思う」


そうだよね・・・?


これが一番いいんだよね・・・?