あたしが児童館の話をすると、真由は真剣に話を聞いてくれた。
「3組の斉藤 陽人か・・・・。後でチェックしよう」
「いや!チェックするまでもないかも・・・」
「澪!斉藤が他の女と仲良くしたらどうするの?その前にちゃんと『あたしはここです!』ってアピールしなきゃ!」
「アピール・・・」
真由がため息をついた。
「澪ってイメージと違うね。もっと強引にガンガン行く子だと思ってた」
それはそっくりそのまま真由に返すよ。
あたしだって真由はもっと清楚な感じだと思ってた。
あたしより遥かに美人だし。
「次の休み時間、斉藤の教室に行こうよ」
「えぇ!?なんで?」
「斉藤チェーック」
真由が楽しそうに笑った。
「そんな急に行って何話せばいいかわかんないよぉ」
「普通に『あたし1組だよ』でいいじゃん」
「そんなの掲示板見たらわかるじゃん」
「まぁまぁ、そう言わずに。・・・あ、チャイムなった。後でねー」
真由はさっさと自分の席に戻って行った。
陽人のクラスか・・・。
なんだか行きにくい。
いつも通り話せばいいんだけど・・・。
「中学」ってイメージが急にあたしを弱気にさせるんだ。
児童館でしか陽人のこと知らないし・・・。
陽人の小学校の人かなりこの中学にいるし・・・。
陽人と仲がいい女子とかも多分いるだろうし・・・。
なんて顔をして陽人に会えばいいんだろう。