しばらく沈黙が続く。
陽人は黙々とお弁当を食べていて、あたしの視線は自分のスカート。
「これってさ・・・」
陽人がやっと口を開いた。
「え?」
思わず上を向くと、陽人とバッチリ目が合ってしまった。
陽人は怪訝な顔でモグモグと口を動かしている。
「本当に親父さんの弁当なの?」
「そ、そうだよ!」
「だって・・・」
「え?」
「オレの大好物ばっかりだよ?」
バレた!?
これは実は陽人のお弁当ってバレた!?
「た、たまたまだよ!・・・確かに陽人の好きなもの多いけど・・・」
「ふーん」
それだけ言うとまたお弁当を食べ始める。
「澪の弁当・・・」
「ん?」
「久々で超うまい!」
すごく嬉しそうな笑顔で言った。
それだけでまたドキドキする。