ど、どうしよう・・・。
だって、あたしのカバンの中。お弁当入ってる。
陽人が大好きなから揚げとアスパラのベーコン巻き。
『料理頑張る!』
あたしに笑顔を向けた由梨の顔が浮かぶ。
でも・・・
由梨、ごめん!
カバンの中からお弁当箱を出して机にドンと置いた。
「ん?」
不思議そうな声が聞こえたけど、恥ずかしくて顔なんか見れない。
「お、お、お父さんがさぁ、お弁当忘れてっちゃって、渡そうと思って間違って学校に持ってきちゃったの!」
自分でもわかるくらい顔が赤くなる。
「こ、こんなんでよかったら食べて?お腹空いてるんでしょ?」
「・・・いいの?」
「うん!お父さんのだから盛り付けとか超微妙だけど!お父さんのだからね!」
本当は盛り付けとか超頑張ってるし・・・。
なんでこんなこと言っちゃったんだろ・・・。
「あ・・・じゃぁ、遠慮なく」
陽人の声を聞くたびに心臓が跳ね上がりそうになる。
顔赤いのばれたくない!
リストで顔を隠した。