放課後。


「行くか」


陽人の声でカバンを掴んで立ち上がる。


「澪ー!陽人くーん!バイバーイ!」


由梨が声をかけてきた。


「おー、半沢。じゃぁな」


陽人が言うと由梨は嬉しそうにしている。


片思いってこういうもんだよね。普通。


「半沢と仲いいの?」


「あ・・・うん」


「半沢ってすげーモテるみたいだぞ?まぁ美人だしな」


美人・・・陽人もそう思ってるんだ・・・。


もし、由梨に告白されたら付き合っちゃうのかな・・・。


「・・・陽人もモテるよ」


「オレ?」


「陽人を好きだって子いるよ」


「まさか」


陽人がおかしそうに笑った。


陽人の笑顔を見るの久しぶりだな・・・。


「ほら、行くぞ」


あたしの頭をポンっと叩く。


こういうのも久しぶりでドキドキする。