一刻も早く、山崎の次の男を見つける必要があった。
愛してくれる人じゃなくて、わたしを抱いてくれる人を。
“必要”なんておかしな表現だけど、それ以外に合う言葉が見つからなかった。
「葵。久しぶり!」
和風ダイニングの個室に入ると、テーブルを囲む顔がいっせいにわたしを向いた。
「久しぶり~、みんな」
大学時代のサークル仲間に、わたしは明るく挨拶する。
すでにみんな酔っていているのか、壁にもたれウトウトしている人もいた。
「葵が飲み会参加するの、何ヶ月ぶりやっけ?」
「葵は付き合い悪いもんなあ」
「ごめんごめん」
みんなの皮肉を交わしながら、空いている席に腰を下ろす。
とりあえずビールを注文し、一息つくためにタバコをくわえると、右からライターが差し出された。