目をそらしていても、瑠衣の視線がまっすぐ刺さっているのがわかる。

息が、苦しい。


「片瀬くんが悪いとか、そんなんちゃうよ」


声が、喉につかえて、うまく話せない。


「わたしね、あんまり他人と深く関わりたくないねん。それだけやから」

「嘘や」


強い声にさえぎられた。


「だったら先生、なんでそんなに寂しそうなん?」

「……っ」

「もし何か抱えてる悩みがあるんやったら、俺に話してよ」


頭の中の酸素が急激に減っていく。


気づけば瑠衣を置いて、わたしはその場を走り去っていた。