大学を卒業後、わたしが選んだ仕事は“予備校のセンセイ”だった。 そんなまじめな仕事は似合わないにもほどがある、 と友人に冷やかされるまでもなく、自分の柄じゃないことは、自分が一番よくわかっていた。 それでも多少のやりがいを感じ始めた、2年目の春。 17歳の瑠衣にわたしは出会った。