わたしは幻を見ているんだろうか? 


もしもそうなら、お願い


この我慢が崩れてしまわないうちに早く消えて。



「……会いたかった」


唇を離し、低くうなるような声で瑠衣が言った。


「会いたかった……先生」



もう、限界だった。

胸を突き上げる愛しさが、涙になってあふれた。
 

わたしたちは再び唇をぶつけた。

それ以外どうすればいいのかわからずに。


抑制なんて効くわけがなくて、タイムリミットに急かされるように互いの服を脱がし合った。
 


裸の背中に伝わるひんやりとした床の感触。
 

もう一度キスをして、暗闇の中で見つめ合う。


温かい涙が、こめかみに流れた。









もしも誰かを傷つけても
 

あなたが笑ってくれるなら


それでいいと思った。