『嫌やっ!』


暗い部屋に響くわたしの声。


卓巳の下で裸のわたしは、半狂乱になって泣き叫ぶ。


『水野、大丈夫やから! 俺やから!』


セックスの最中、何度もフラッシュバックを起こすようになったわたしを、卓巳はそのたび抱きしめてくれた。

ここにいるのは叔父じゃない、
俺なんだと。


だけど、わたしはしだいに体の関係を拒むようになっていった。


卓巳は根気強くわたしのそばにいてくれた。


……嫌いになったわけじゃない。


むしろ、以前よりずっと卓巳が好きなのに。

愛してるのに。


好きになればなるほど……

彼の存在がわたしの中で大きくなればなるほど……


触れられることが、どんどん恐怖になっていく。


『気にするなよ。きっとまた、できるようになるから』


卓巳は優しい声で言った。


17歳だ。

性欲も異性への興味も、一番強いとき。


彼はいったいどんな気持ちで

抱けないわたしを愛してくれていたんだろう?





ある日、たまたま友人の知り合いという男に出会った。


いかにも遊んでいる風のその男はわたしをクラブに連れて行き、

お酒を何杯か飲んだ後、当然のようにホテルに誘った。