ミルク入りのホットコーヒーを入れて、テーブルにふたつ置いた。

そして瑠衣の隣に座り、ふぅふぅと冷ましながら飲んだ。


「俺、正月はちゃんと寝られへんかった」


ふいに瑠衣が言った。


「どういうこと?」


尋ねると、恥ずかしそうに思い出し笑いをする瑠衣。


「初夢見るのが怖かったから」

「初夢?」

「うん……。もし先生と離れる夢とか見たら、今年が怖くなるから。
せっかく気持ち通じ合ったのに、あれは昨年のこととして終わってしまいそうやん?」


でも、と言って瑠衣はコーヒーを置いた。


「思い切ってここまで来てみたら先生に会えて……めっちゃ今、嬉しいねん」


遠慮がちに抱きしめられ、触れた部分から愛しさが広がっていくようだった。


瑠衣……。

わたしだって、今すごく嬉しいよ。

会っていないときはいつも瑠衣のことを考えてた。

さっきマンションの前で瑠衣を見つけたときは、ビックリしたけどそれ以上に嬉しかった。



だけど……