――『わたしね、本気で好きなんですよ。瑠衣のこと』


よみがえる涼子ちゃんの言葉。

まるで、わたしには瑠衣を想う資格なんかないことを見透かしたような……。


ダメだ。

こんなに落ち込んでいたら家族に心配かけてしまう。


わたしはブンブンと頭を振った。






電車は、実家のある駅に到着した。


改札をくぐってエレベーターで地上に上がると、なつかしい大通り。

正月の今は車が少ない。

横断歩道を渡り、まっすぐ歩いていくとスーパーマーケット。

その角を曲がれば、18歳までわたしが過ごした家がある。


水野、という表札の前でしばらく深呼吸してから、玄関を開けた。