「なんか、涼子ちゃんと片瀬くんって似てるね」

「は!? どこがですか!?」

「正義感っていうか。人のために動いてあげられるところとか、それがちっとも打算的じゃないところとか。
似てる気がする」

「ん~……まあ、あいつとは幼なじみですからね」


涼子ちゃんは渋々のようにうなずいたけれど、決して嫌そうじゃなかった。


「あっ。でもね、先生」

「ん?」

「別にわたしだって、誰のためにでも動くわけじゃないですよ?
そこまで正義感は強くないし」


涼子ちゃんの表情がふっとやわらかくなった。

窓の外の夜空に目をやり、彼女は言った。


「瑠衣が、水野先生はいい人やって言ってたから。

あいつが大切にしてる人は、わたしにとっても大事な存在なんです」