あたしは、恋愛ものの小説を書くことにした。


学園もの。


女子生徒が、先生に恋をしてしまう物語。


モデルはもちろん、あたしと先生。


先生なら、直接言うよりも、
小説を通してのほうが伝わると思った。



いつもとは違い、この物語は何日もかけて書き上げた。


先生に伝わりますように。




放課後、久しぶりに先生を呼び出すと、先生は嬉しそうにあたしの原稿用紙に目を通しはじめた。


目を見開いていたから、あたしがこの物語を書いた意図を読み取ったのだろう。


悲しそうな顔で読むのをやめようとするから、あたしは「一生のお願い」と、最後まで読んでもらうよう促した。