あたしは、体の水分がすべてなくなるんじゃないかというぐらい、声をあげて泣いた。
「……先生、先生、先生!」
すべてはあなたに近づくために、
あなたに認めてもらうために、
小説を書いていた。
なのに……こんなのってないよ。
ひたすらに先生の名前を呼びながら、今まで書いた原稿用紙をすべて破り捨てる。
それでも先生への想いは消えそうにない。
自分で考えていたよりもずっと、先生を深く愛していたことを今さら知った。
『“やり抜ける”じゃなくて、“やり遂げる”だよ』
『そこ、漢字間違ってる。誤字と脱字が多すぎ』
はじめは真っ赤だった原稿用紙が、日を追うごとにどんどん修正部分は減り、昨日の赤は一ヶ所だけだった。
いつか、修正部分がなくなれば、先生に想いを伝えたかった。
先生……あたしはすべてを鮮明に思い出せるほど、
あなたのことを愛しているんだよ。