「あれ、どうした?」


校門を出ていこうとする先生が、立ち尽くしてるあたしに気付いた。


先生と、隣の英語の先生とも目が合う。



──やばい、泣きそう。



「そういえば、今日は珍しく来なかったな」


「委員会が……あって……」


先生、いつもより楽しそう。


そんなに彼女といるのが楽しいの?


「そっか、気をつけて帰れよ」


「……先生、」



悔しい、くやしい、クヤシイ。



あたしと一緒にいても、
あたしの小説を読んでも、



先生はあんなふうに笑ってくれない。



それが悔しくて、泣きたくなった。



「先生たちは、付き合ってるんですか……?」



聞いたところでどうにもならないのに、
聞かずにはいられなかった。