それからも、放課後の指導は続けてもらっていた。
そんなある日……。
あたしは委員会の集まりがあって、先生のところに行くことができなかった。
早く……早く会いたいのに。
今日は何故か話し合いが長引いてしまって、そのまま最終下校時間を迎えてしまった。
せめて読んでもらうだけでもと思い、あたしは職員室へと走る。
気付けば、原稿用紙をくしゃくしゃになりそうなぐらい強く握ってしまっていた。
昨日、深夜に書き上げた冒険ものの小説。
短いけど、冒険を通して主人公が大切なものに気付いていく物語。
今日は、いつもより上手く書けた自信がある。
だから先生、いっぱい褒めてください。
いつもみたいに
子供を褒める時みたいに
「よく書けてるな」
って頭を撫でてください。