考えてる先生も素敵だなぁ。
なんて再び見惚れそうになる前に、あたしは慌てて視線を床に落とした。
「じゃあ、こうすればどう?区切りやすくなるんじゃない?」
思いついたように手を叩いてから、先生は赤ペンで言葉を加えた。
「あ……本当だ。すごい……」
なんだか、あたしの小説が一瞬でレベルアップしたような気分。
「まあ、一応教師ですからね」
得意げに笑う先生を見て、あたしも自然と笑っていた。
「……っと、今日はここまでだ」
時計を見ると、ぴったり30分が経っていた。
ああ、なんて早すぎるんだ。
時間が過ぎるのは。
「今日も楽しかったよ。じゃあ、気をつけて帰ってね」
いつものようにあたしの頭をぽんぽんと撫でると、先生は職員室に戻ってしまった。