“いつか”なんて言葉はそこにはなかった。
あるのはただ、この瞬間の“いま”だけで、それがずっとこの先まで、続くんだと思っていた。
きみがいなきゃ、何も動かない。
わたしの世界は止まったままで、いつまでも置いていかれてしまう。
きみがいなくなったことにも気付かないような、速すぎるこの世界の中で。
わたしだけがいつまでだって、この場所に取り残されて。
片翅を失ったまま。
前も後ろも向けなくて。
いつか見ていた空を想って。
地面の上に、這いつくばってる。
だけど、それでよかった。
進む必要なんてなかった。
飛べなくたって、構わなかった。
だって、きみがいないこの世界で。
わたしが居るべき場所なんて、どこにも在りはしないんだから。
───それなのに、なんで、あんたは。