───そういえば、わたしがハルカへのプレゼントに用意したビオラはどうしたっけ。
まあ、そんなことはどうでもいいか。
大したことじゃないんだ。
だってそれよりも大事なことがたくさんある。
ハルカがわたしに、あの場所の花を、くれようとしていたこと。
この手紙を読むまで、わたしはそんなこと知りもしなかった。
わたしが結局たどり着けなくて、行くことを諦めた、ビオラの咲く丘の花。
本当にあったんだ。
ハルカは行ってくれたんだ。
あの特別な誕生日の贈り物に、ハルカは、それを、選んでくれた。
変な繋がりだよね。
わたしたちはどこも似ていないのに、変なとこだけやっぱり同じなんだ。
わたしが考えていることは、大抵きみも考えてる。
わたしが好きなことは、きみも好き。
わたしの大切なものは、きみにとっても大切なもの。
わたしはきみで、きみはわたし。
わたしたちはずっと、ふたりでひとつだったんだ。