『瑚春へ。
昨日お母さんと一緒に春霞のお墓まいりに行ってきたよ。
まだ霊園自体ができたばっかりだから、あんまりお墓は建っていなくて、春霞のだけがぽつんと寂しそうでした。
春霞はたぶん、お前の側に行ってるから、ここには居ないと思うけど、でもいくらなんでも寂しすぎたから、お墓のまわりにたくさん花の種を蒔いてきました。
この花がぜんぶ咲けば賑やかになるから、きっとここも楽しい雰囲気になるね。
もちろん、霊園の方には内緒だけど。
怒られたらどうしようね、まあ、そのときはそのときだ。
来年の1月には咲くと思うから、今からもう、楽しみです。
お父さんより』