ハルカ。
「……ハルカ」
ねえ、ハルカ。
見つけてほしいなんて、そんなことを言って。
わたしはまた、ひとりで勝手に、見つけづらいところに潜り込んでいたんだね。
わたしの声は、いつだってちゃんと。
きみに届いていたのに。
「コハル」
ぎゅっと、冬眞の両腕が全身を包んだ。
背の高い冬眞は、わたしよりも頭ひとつ分以上大きいから、ちょうど胸の高さにわたしは顔を寄せる。
そこは心臓のある場所。
当てた左耳から、直接、きみの音が、聴こえる。
──トクン、トクン──
それは、命を刻む音。
「好きなだけ泣いていいよ、コハル」
優しい声が降る。
わたしが欲しい声。
もっともっと近くで聴きたくて、ぎゅっと、細い背中を抱き締める。
「めいっぱい泣いてよ。今まで我慢してた分もぜんぶ。
ぜんぶぜんぶ泣いたら、今度は一緒に、笑おうね」