春霞が死んだ。



そんなはずはなかった。



だって今言ったじゃないか。

春霞の心臓は動いてるって。



生きてるってことでしょう。


死んでるはずがないでしょう。



そんな笑えない嘘言わないで。


どうでもいいから春霞に会わせて。



きっと、春霞はわたしを待ってる。



笑ってわたしを抱きしめる。




『 コハル 』




ぎゅっと顔を寄せた耳元で、そうやって、わたしを呼んでくれるに決まってるんだ。



だって、だって、いつも、そうだから。



これからだって、ずっと、きみは、そうやって。




わたしの、側に。