真っ赤なガーネットのペンダント。


ハルカのペンダント。


わたしのペンダントと繋がる、この世でただひとつの、半身。



「知らなかったんだ。本当に。俺は何も、知らなかったんだよ」

「……うそだよ」

「本当なんだ。信じて、瑚春」


ぎゅっと、冬眞の手がわたしの手を掴む。

少し震えた手。

熱い体温。



……ほんとはわかってるんだ。

あんたは嘘なんて吐かない奴だもんね。

わたしはあんたのこと知らないけど、それくらいは知ってる。


ねえ、でも、だったら、なんで───



「だったら、なんで、あんたは、ここに居るの」



たったひとりで止まった場所を歩いていた、わたしの前に現れたの。

ハルカのペンダントを持って、わたしの前に、現れたの。

なんでハルカと同じようなことを言うの。

なんでわたしに笑ってみせるの。


なんで、冬眞は、わたしの隣に、居るの。



「いらないんだよ、わたしは、何も。もう、いらないの。ハルカが居ないなら、誰も、居なくていい」

「瑚春」

「いらない、どいて。どこかに行って。もう、ここに、居ないで」

「瑚春、聴いて」

「うるさい! あんたなんか居なくていい!! 消えて! わたしの隣には、誰もいらない!!」



ハルカしか、いらない。