この性格を、直さなければいけないと本気で思ったのは初めてだ。
子どもの頃は自分から折れることが少なかった分、今はなんでも簡単に諦めるようになってしまった。
それがいつからか、なんてことは、きっと考えるまでもなく分かっているんだろうけれど。
やっぱり、ピアスの取り替えは痛かった。
外すときももちろんだけど、何より着けるときが最悪だ。
こんなロクでもないこと、するもんじゃない。
「ほら、これで一緒だ、瑚春」
だけどこいつはいつも、わたしの思いなんてことごとく無視するから。
今も相変わらずひとりで楽しげに笑って、わたしの左耳に手を伸ばす。
「やっぱり似合うよ。ガーネット」
それは、いつか、わたしがハルカと、互いに分け合ったものと同じ石。
離れ離れにならないようにと、目印にしようと、ひとつだったものを分けて、外れないように互いの身に着けた。
きみがくれたもの。
交わした約束。
大切だった宝物。
いつか失くなってしまった、片割れ。
果たされなかった、小さくて、大きな、約束。
絆の証。