わたしたちがそれを知ったのは、朝に、起きた直後のことだったと思う。
その日は学校が休みで、少し寝坊したわたしたちを、いつもとは違う表情で起こしにきた母に違和感を感じたのを覚えている。
みそは、ケージの隅のエサ箱で、大好きなペレットに埋もれて丸くなって死んでいた。
まるで眠っているみたいで、だけどたしかに、もうそこに温かな命はなくて。
父は、よかったじゃないか、と言った。
母は、頑張って生きたね、と言った。
確かによかった、みそは頑張って立派に生きた。
だけどまだまだガキんちょのわたしたちが、そんなことを簡単に受け入れられるはずもなかった。
わたしと春霞は、空っぽになったみそのケージの前で、ふたりくっついてわんわん夜中まで泣き続けた。
まるでひとつのものみたいにぎゅっとお互い抱き合って、感情を分け合うみたいにして。
お互いの涙が、お互いの体を行き来して、永遠に流れ続けているみたいだった。
泣き疲れてむぎゅっとくっついたまま眠ったわたしたちは、次の日になって、ようやくみそのお墓をつくってあげた。
ティッシュにくるんでいたみその亡骸を、庭の椿の木の下に埋めて、その上に大きな石を置く。
椿は季節外れで咲いていなかったから、代わりに横に生えていた雑草を引っこ抜いてお墓に添えた。
みその体に土をかける瞬間だけ、わたしと春霞はもう一度泣いた。
ぽつり、ぽつりと土にしみを作りながら、でも手は止めることなく、みその体を自然に返した。