「秋本っ、おまっ…、太るぞ」
「あんたの食いかけで太って堪りますか」
ぴしゃりと反論を返した秋本は奪っちゃったと意味深に口角をつり上げてくる。
そりゃ回転饅頭を奪われましたけど?
片眉をつり上げる俺に、「チガウチガウ」秋本は軽く両手を上げて、右人差し指で俺の唇を指してくる。
意味が分からなくて、首を傾げる俺は自分の唇に触れる。
数秒後。
「はあ?! お前、バッカじゃないの!」
意味を理解した俺はからかうなって、と怒声。顔が火照っていることから、赤面しているような気もする。
そういうところがガキなのだと余裕綽々で俺の手から財布を取り上げる秋本は、さっさと腰を上げて歩き出す。
今のはガキも畜生もあるかよ、アラサーのくせにっ。
アラサーのくせにっ、ああくそっ、大人のヨユーって奴ですか?
イジメですか?!
教師がそんなことをして許されるとでも?!