だからなんだよ、なついって。
KYと同じ流行り言葉なのか?
片隅で疑問を抱く俺は、スマートフォンをタッチして遊ぶ。流れるように画面が現れる。
それが面白くてしょうがない。
これで何ができるんだろう?
俺は秋本に質問を重ねた。
こんなにハイテクなんだから、すっげぇことができるんだろうな。
「なんだろう?」
電話でしょ、メールでしょ、テレビでしょ、音楽でしょ、インターネットでしょ、秋本の数を挙げていく姿を一目見ただけで俺は結論付けた。
未来はハイテクなんだって。
もしかしてロボットとかも、もういたりして。
猫型ロボットがいてもおかしくないかもな。
だけど残念な事に、そこまで技術は発達していないみたいだ。
「なんだ」
ロボットがいたら面白いだろうに、俺はスマートフォンの画面を横にスライドした。画面が横に流れる。オモシレェな。
夢中で触っている間、秋本が微笑ましそうに笑みを浮かべて頬を崩していたことを俺は知らなかった。
「やっと笑ったね。坂本」
勿論、彼女の独り言も俺の耳には届かなかった。