(せっかく話が出来そうだったのに・・・)
自分の臆病さに嫌気がさす。
口を開きかけた彼は何を言おうとしたのかな?
『何、ジロジロ見てるんだよ』
何て言われたらあたし立ち直れないかも。
深くため息をつくと、頭にポンっと何かが当った。
頭に当った紙を拾って開く。
『せっかくのチャンスに何やってんの!バカ!!』
明日香の文字。
そうだよね・・・。
あたし何してるんだろう・・・。
でもね、明日香。
明日香は知ってるからわかってくれるかもしれないけどさ、
あたし・・・怖いんだ。
恋なんてしてもいいのかなって・・・
神様なんていないからさ、聞けないじゃん。
『あたし、好きな人と一緒にいたい』
みんなが当たり前に思う願いとか気持ちとかをあたしに持つ資格ある?
だって、あたし・・・。
首をブンブンと振った。
やめよう、考えるのはもうやめた。
「神様」はいないけど「死神」があたしの首を狙っているから。
何かを望んだらすぐ「死神」があたしを狙いにくるから。