「キモイ」


「エヘヘへ、あ、何か言った？」


「だからマジでキモイ。見て、この鳥肌」


明日香が腕を見せてきた。


「鳥肌だねー。で、何？」


「もういいわ」


登校中、明日香の顔には眉間に皺。

そしてあたしは笑顔全開！


「あ、ソウちゃん」


明日香の言葉に「え？どこ？？」とキョロキョロする。


「いるワケないでしょ？朝練だっつーの。あんたが一番知ってるじゃん。『彼氏』なんだから」



そうなんです！皆様！！（って誰に言ってるかわかんないけど）


あたし、何と！！ソウちゃんの『彼女』に昇格したんです！！



「そうだよー。朝練なんだよー、あ、知ってた？３年引退したから中川くんがキャプテンなんだって」


「知ってるよ、隣の席だもん。ってより意外だよ、あたしは」


「何が？」


「この毒吐き女をどうやったらお花畑にいるような乙女に更生させたのか『ソウちゃん』に是非、極意を聞きたいわ」


「あたし毒なんか吐かないよ、アホ。それにバカにした様に『ソウちゃん』呼ぶなボケ」


あたしの言葉に明日香は苦笑い。


「ソウちゃん、このガキは親友にアホとかボケとか言うんです・・・」


（うるさい！！明日香をどう呼ぼうがあたしの勝手！！）