ソウちゃんと話が出来るようになって10日くらい経った。

朝はちゃんと「おはよう」。帰る時は「バイバイ」。


「ルウコ!課題!!」


なんて言って焦ってあたしの課題を後ろ向いたまま写してる姿を見てるのが幸せだなーなんて思ったり。


こうやって普通に話せると段々欲が出てくるワケで・・・。

自分でも知らなかったけど、あたしって相当独占欲が強いみたいで、

昼休みにソウちゃんがどっかのクラスの女子と話しているのを見たりすると、ムッとしていまったりする。


(話せるだけで幸せって思ってた謙虚なあたしはどこへ行ったんだか)


自分に呆れながら、明日香といつも通り登校する。



下駄箱をパカっと開けて上靴を出そうとすると、奥の方に何やら紙切れ。


「ん?」手を伸ばして紙切れを掴む。

適当に折られたルーズリーフだ。


深く考えないでその場で開いてみる。


「え!?」


あたしの大声に明日香が「何!?ビックリする!」と言った。


「な、何でもない!」


慌ててルーズリーフをカバンに突っ込んだ。




ソウちゃんからの「お返事」だった。


「何?どうしたの?」


明日香が不審そうな顔をしたけど、


「別に!ほら、早く行くよ」


「手紙」が早く読みたくて急いで教室へ向かった。